登場するのは
宮沢賢治、アリス、月影千草、不思議な少年、麒麟などと
何の関係も脈絡もない奴ら。
しかし、天文学的確率の必然で出会ってしまったからには
何とも説明しようがないほど複雑怪奇な空模様。
春秋時代が終わり、戦いの時代になってから二千年以上と
ずいぶん久しい21世紀の孤独な夜
眠ることなくひたすら天井を見上げ
夢の彼方を走る銀河鉄道に思いをめぐらすならば
うつろいやすい少年の好奇心が遊び果てることはない。
そんな幻想に彩られた夜に語られる
玲瓏透徹な、別れゆくもののおとぎ話。